哲学者になりたい人

心のつぶやき。一応エンジニア兼絵本作家。

電子レンジが爆発した話

日本人なら誰もが昔から避難訓練というものを経験してきたと思います。でもそれが実際に役立った人は少ないのではないでしょうか。

 

自身も火事の経験はありませんが、一度だけ、ただ一度だけ避難訓練が活きたことがあります。

 

それが…と言いたいところですがすでにタイトルで言っちゃってますね。そうです電車レンジが爆発したんです。

 

これはまだ小学生の頃の話。(急変化する温度感)

 

その日僕は家で留守番をしていた。

 

朝母親から「これおやつに食べや、詳しいこと紙に書いておくから」とさつまいもがポツンとテーブルに置かれていたのを今でも覚えている。

 

のちにこのさつまいもが悲劇を起こすとは知らずに…

というか今考えたらおやつのチョイス笑

 

適当に「わかった〜」と返事をして留守番をしていたわけが、3時ごろになりちょうど小腹が空いてきた。

そこでなんか言っていたさつまいもでも食べるかーとなった。

 

紙を見てレンジで何分温めるかまでしっかりと書かれたその情報を疑うこともなく、さつまいもを電子レンジにぶち込み、確か3分とかで温めスタートを押した。

 

当然3分間ずっと電車レンジの前で仁王立ちするほど金剛力士像なわけではなく、違う部屋でパソコンをいじることにした。

 

パソコンをいじっていて少ししたら電子レンジの方から音が!

「あれ、ちょっと3分早くない?」というのと「タイマーこんな音だったっけ?」という2つの疑問を抱えたまま電子レンジのあるキッチンに向かうことに…

キッチンに着くと、なぜか電子レンジが勝手に開いていた。開けていない電子レンジが開いているその感覚は、恐怖でしかなかった。

しかも中からバチバチ音がしている…

嫌な予感しかしない…

 

勇気を振り絞りおそるおそる近づいてみる…

 

そして僕の目に飛び込んだのは「さつまいもが燃えている」という恐ろしい状況。

 

とりあえず意味がわからなかった。わからなかったけどとりあえず本能で水をかけた。

 

すると水は消えた。ほっとした。

 

しかしほっとしたのもつかの間、さつまいもから勢いよく煙が噴き出してきた。

 

あっと言う間に家中煙だらけに。

 

死を覚悟した。

 

しかし覚悟した僕の脳裏をよぎったのは楽しかった友達との思い出でも気になっていたあの子の顔でもなく避難訓練の記憶だった。

 

それから僕は避難訓練の経験を思い出し、姿勢をなるべく低くし、ハンカチを口元にあて、ほふく前進をしながら家中全ての窓を開けることにした。

 

それが終わったらつぎは全ての換気扇をつける。

 

極め付けは扇風機で煙を外に出すアシストをさせた。自分自身もうちわで補佐をする。

 

だんだんと部屋の視界がひらけてくる…

 

どんどん外に出て行く煙…

 

この時何が怖かったかって、ご近所さんに通報されないか。家族にこの事実がバレないか。だった。

 

 結局部屋は元どおりになった。気がした。ほっとした。

 

夕方家族が帰ってきて、「なんか焦げ臭くね?」と言われた。

 

死にたくなった。